本日は、契約者本人の親族から
「本人は死亡した。」という申告があった場合の対処法について解説いたします。

 

本人が死亡した場合には、相続が発生します。
相続人は本人(被相続人といいます)の財産のみならず、
債務も相続することになりますので、通販代金の支払い義務も引き継がれることになります。

よって、基本的には、相続人の方に対して、残代金を請求することが可能です。
相続人が複数いる場合に、それぞれがどの割合で債務を承継するかは、以下の通りです。

 

相続人               債務を相続する割合

配偶者のみ               配偶者100%

配偶者と子            配偶者2分の1、子(全員で)2分の1

配偶者と父母           配偶者3分の2、父母(全員で)3分の1

配偶者と兄弟姉妹         配偶者4分の3、兄弟姉妹(全員で)4分の1

 

相続人間で遺産分割など未了の場合でも、以上の割合で、
代金債務は自動的に分割されて各相続人に相続されます。

そして、上記のような親族関係は戸籍を調査すれば判明するのですが、
少額の債権を回収するために、戸籍を調査するのは費用対効果の観点からお勧めできません。
現実的には、相続人の1人や関係者からの申告内容を元に判断することにならざるを得ないでしょう。
ただし、上記の割合で相続人に債務が引き継がれる場合でも、
当該相続人が相続放棄をしている場合は、支払い義務は消滅します。

相続放棄は、相続人が、自分が相続人となったことを知った時から3ヶ月以内に、
家庭裁判所に対して申請することによって行います(民法915条)。

相続放棄を行うと、家庭裁判所が「相続放棄申述受理証明書」を発行してくれます。

場合によっては、いまだ相続放棄をしていないにもかかわらず、
「自分は相続放棄をしたので、負債を引き継がない」と
虚偽の主張をしてくる親族もいると思います。

そこで、このような申告があった場合には、
この証明書のコピーを提出するように要求すると良いでしょう。
本日はここまでとします。

最後までお読みいただきありがとうございました。