本日は、電話対応におけるケース別対応法 その3として、
債務者の「商品が手元に残っていて使っていないので、返品すればよいでしょ?」との申し出について、対応法を解説して
いきたいと思います。
通信販売の場合には、クーリングオフ制度が導入されており、
購入者は商品の引き渡しを受けた日から数えて8日以内であれば、自由に契約を撤回することができることになっています。
(特定商取引に関する法律15条の2。ただし、このクーリングオフ制度を適用しないことを広告等で明示している場合には、
同制度の適用対象外となります)
ちなみに、商品を返還する場合、その費用は購入者負担となります(同法15条の2第2項)。
ところで、通常、通販会社の方で債務者に対する督促行為を行うのは、
少なくとも支払期限を渡過している必要があり、既にこのクーリングオフ期間が経過しているケースがほとんどでしょう。
そうしますと、以後は、債務者側の勝手な都合で商品を返品するということを認めてあげる必要はありません。
法的に見れば、お客様が商品を発注して、商品代金を支払い、
会社側がその発注を受け入れて商品をお客様に引き渡すという取引は、売買契約に基づく取引と言うことができます。
そして、一旦、契約が成立した以上は(契約は口頭でも成立しますし、インターネットでの申し込みでも売買契約は成立して
います)、契約の両当事者(お客様と会社)は、契約によって拘束されることになります。
従って、契約上の解除事由があるとか、法律上認められている解除事由
(お客様が未成年者で、小遣いの範囲とは認められないようなケースなど)がある場合でない限り、
契約を解除して、なかったことにするということは認められません。
もちろん、会社側が返品を受け付けることを約束している場合には、その約束通りに対応しなければなりません。
その場合でも、多くの場合は返品のルールが定められているはずであり、
お客様の側がそのルールから外れた形で返品しようとしても、会社側はそれを拒否できるのは当然です。
本日はここまでとします。
最後までお読みいただきありがとうございました。